日常的に、銭湯に行く人も多いのではないでしょうか。
銭湯そのものは、日本で江戸時代には庶民に広まり、「町ごとに風呂あり」と言われるほどでした。
ただ単に流した汗を流す場所だけでなく、銭湯の中や横に長屋があったり、かつて湯女が客をもてなした広間を浴客に開放し、お茶を飲んだりご飯を食べたり、囲碁や将棋を楽しむ社交場として利用されるようになりました。
いまでは、各家庭にお風呂がほぼ常備されていて、公衆浴場としての機能は次第になくなってきてるかもしれません。
もちろん、風呂なし物件も今でも存在しますし、多様な人たちが生活するためのインフラとして、風呂なし物件と銭湯が街にあることも大きな意味があると思います。「銭湯」が持つ社交場やコミュニティとしての機能は逆に大きな価値として認識されつつあります。
とはいえ、銭湯そのものの経営は難しく、また、その経営の多くが個人や家族経営ということもあって、承継が大きな課題になってきます。
近年は、銭湯を閉業するところが増えてきて、都内ではついに500軒を切るほどにまで減少してきています。
そんな中、東京・北区にある 稲荷湯が2019年に国の登録有形文化財に選ばれ、さらに世界中の歴史的建造物や文化遺産の保全に取り組んでいるワールド・モニュメント財団の2020年ウォッチ・リストに選定されたことを受けました。
▼ワールド・モニュメント財団 2020ウォッチ・リスト
https://www.wmf.org/2020Watch
ちなみに、この稲荷湯は映画『テルマエ・ロマエ』のロケ地になった場所としても知られ、都内でも今では珍しい宮造りの銭湯となっています。
アメリカン・エキスプレスの協力を得たワールド・モニュメント財団からの助成支援をもとに、稲荷湯や銭湯隣の二軒長屋を地域に開かれた場所として改修しつつ、銭湯文化を伝えるスペースに改修するため、一般社団法人「せんとうとまち」を設立しました。
▼一般社団法人「せんとうとまち」
https://www.sento-to-machi.org/
社団法人設立とともに、稲荷湯だけだけにとどまらず、銭湯そのものの経営のサポート、利活用の提案、事業承継などの様々な問題と支援する団体として、各地の銭湯経営者や銭湯をサポートしたりまちづくりに携わっている人たちと連携したりしながら、活動を展開していければと考えています。
まずは、この稲荷湯という現場を通じて様々な取り組みを展開しつつ、すでに、各地の銭湯経営者や銭湯と絡めながらまちづくりを展開している人たちと連携を進めています。
稲荷湯や長屋の改修のためにボランティアやお手伝いも随時募集していきます。
まだ体制構築はこれからですが、会員になっていただいた方々とは継続的にコミュニケーションできるような場もつくっていきたいですし、全国の銭湯の情報を日々集めていますので、銭湯に関する情報をお持ちの方はぜひご連絡ください。
先日には、全国浴場新聞で、せんとうとまちの活動を一面で大きく取り上げていただき、銭湯経営者らからご連絡などをいただくほどになっています。また、自治体もこうした文化財としての価値のある銭湯をどうにかしたいと考えるところも多く、自治体や観光協会などとも連携しながら、活動を展開していきたいと考えています。
4月以降、体制を整えつつ、色々と打ち手を考えているので、最新情報などをウォッチしたい方は、ぜひとも、ぜひ、ウエブサイト、Facebook、インスタ、noteなどフォローいただけるとうれしいです。
また、団体運営に関心ある人、お手伝いしたい人も随時募集していますので、運営に関心ある人もいましたらご連絡をお待ちしています。
ウェブサイト
https://www.sento-to-machi.org/
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