アドバイザーに就任した阿賀北ノベルジャム2020が無事に開催されました

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NPO法人HON.jp企画として著者、編集者、デザイナーらが一同に介し、チームを組んで創作を行う「NovelJam」をこれまで開催してきました。私は、NovelJam構想の企画の立ち上げからディレクションまでをこれまで携わってきました。

そして、この度、2020年10月から約3ヶ月間、初の地方開催として、新潟県の新発田市の、阿賀北地域を舞台にした小説を創作する「阿賀北ノベルジャム」が開催されました。

これまで、阿賀北地域では同地域に学校を構える敬和学園大学主催のもと、地域振興や文学による人材発掘や文藝作品の創造を目的に「阿賀北ロマン賞」という文学賞を2009年から12回続けてきました。阿賀北ロマン賞では、作品の公募と表彰にとどまっていたものの、今回、阿賀北ノベルジャムとして2020年から形を変えて開催される運びとなりました。

HON.jpとしてこれまで4回のNovelJamを開催しながら、運営ノウハウや企画としての課題などを抽出しながら、毎回、少しずつ運営方針や開催内容をブラッシュアップしてきました。そして、初の地方開催として実現するにあたり、阿賀北ノベルジャムのアドバイザーとして開催準備やリサーチ、実際の実行委員会の運営などに関わってきました。

開催にあたっては、敬和学園大学准教授である松本淳氏(HON.jp 理事も務める)のプロデュースのもと、同大学の学生メンバーらが実行委員会として切り盛りしてきました。新型コロナウイルスが蔓延する以前に企画立案されたもので、当初は参加者らが全員新潟に集まり、3日間で創作を完成させる予定でしたが、新型コロナウイルスの蔓延にともない、ほぼ、遠隔による創作へと切り替わるにあたり、短期間の開催から約3ヶ月という期間に変更されるなど、様々な変更点や運営における課題にぶち当たりながらも、松本先生および学生らの尽力によって、無事開催することができました。

結果として、短期間での創作から3ヶ月という期間に変更されたことで、完成した3チーム合計5作品は、どれも読み応えや内容も含めてしっかりと作り込まれた作品となりました。3月21日に開催されたグランプリ授賞式では、『バッテンガール』(Yohクモハ著|波野發作編 |吉田彩乃デザイン)が受賞し、審査員を務めた文芸評論家の仲俣暁生氏らからも「完成した5作品とも、クオリティの高い作品だった」という評価がなされました。

一方、ノベルジャムでは電子書籍による出版を基軸としているものの、地方開催における課題の一つとして、まだまだデジタルによる出版とアナログな紙による出版におけるリテラシーなど、都市部と地方における差異が浮き彫りとなりました。

今回、初の地方開催されたことで、新潟だけでなく各地でもノベルジャムが開催される流れになってもらいたいし、地方に埋もれている作家など創作に関わる人たちにとっての一つの表現の場になれればと期待しています。

今回の、阿賀北ノベルジャムについては、ヤフー個人ブログにまとめ記事を掲載しています。ぜひ、こちらもご覧ください。

▼「物語」を作り出す出版創作企画「ノベルジャム」が初の地方開催、地域の新たな文化活動の場を目指して
https://news.yahoo.co.jp/byline/eguchishintaro/20210414-00232543/