「ルールデザイン」と向き合おう

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今日、10月22日は衆院選の投開票日。あいにくの雨模様(台風も来てるし、月曜大丈夫だろうか)のなか、投票に行く人の様子がSNSから伝わってくる。

今回の選挙、色々と争点はありつつも、同時にニュースで話題だったのは、期日前投票の高さだった。期日前投票の認知が広がり、日曜に仕事があったり、日曜は家族とお出かけしたい、とか、色んな理由がみんなあるし、また、週末は雨だと天気予報で言われてたので、早めに投票に行こうと思う人も多かったのではないだろうか。

期日前投票の認知が広がってくると、投票日=10月22日、という考え方に疑問を抱く人も多いわけで。そういう期日前投票に関する疑問は、僕も以前から考えていたこともあり、選挙制度に関して、ヤフー個人で記事を書いてみた。

・主権者にやさしい選挙のための、抜本的な選挙制度の見直しに向けたいくつかの議題(江口晋太朗) – 個人 – Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/eguchishintaro/20171020-00077130/

記事のもとになっている内容として、前回の参院選のときのブログでも同様のことを指摘している。

2012年に活動したOne Voice Campaignを通じて、2013年にネット選挙が実現したこともあり、ネット選挙の実現によって公選法の改正を進める一つのきっかけとなった。同時に、One Voice Campaignの時から思っていた課題として、選挙制度そのものが私たちの生活にマッチしていないということだった。

とってつけたような特例や、ちぐはぐだらけの法律ではなく、根本的なところから見直さなければいけない。そう思ったこともあり、過去のブログでも選挙制度のことを指摘している。

そうした、制度やルールを見直すことに対して、日本ではなかなか議論は起きにくい。けれども、私たちの行動を規定するものの多くは、こうしたルールや規則に則っている。また、ルールがあるからこそ、それを多くの人が共有してることによって生まれる安心もある。

環境が人の行動を変える。それは、ビジネスや表現の世界でも同じだ。さまざまなテクノロジーが生まれてくるなか、そこから新しいビジネスや表現方法が生まれる。しかし、法律や規制がそれを阻むこともある。そうした法律と現実の狭間にあるグレーゾーンをポジティブに解釈し、ビジネスや表現を加速させようと提唱しているのが、弁護士の水野祐氏が提唱している「リーガルデザイン」である。(著書『法のデザイン』に詳しい)

水野氏の指摘だけでなく、ルールメイキングに関して書かれている本も多い。『なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか ルールメーキング論入門』で指摘されているように、ルールは守るものだけでなく、作り上げていくことの重要性を説いている。

これらのように、リーガルデザインや、ルールメイキングも含めた、まさに「ルールデザイン」と呼ぶべき、法律や規制そのものの再構築し、自分たちによって必要なルールをつくっていくべきではないだろうか。

ヤフーの記事でも書いてるように、ルールは一般の人だけでなく、障害を持った人など、すべての人たちにとって平等に権利が行き届くものでなければならない。そのためのインクルーシブな視点を持った、ユニバーサルデザインの視点を、ルールデザインにも持ち込んでいく。そのための議論の一つとして参考にしてもらいたい。

制度や規制という環境が変われば、私たちの行動も変わる。そのために必要な議論を継続して進めていこう。